最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
その九。
皆、良い顔をしてる。
勝てる事を知って、仲間と喧嘩する楽しさを知って。
そうすれば、このチームは強くなれる。
仲間を大切にする、ココロも身体も強いチームに。
道場破りもどき共は総長がやられて、帰って行った。
「鬼刃に勝ったぞーっ!」
「よっしゃあァ!!」
そんなに嬉しいのか。
それもそうか。今まで負けてたチームに勝てれば誰でも嬉しい。
でも、此処で緩んだらダメだ。
『お前等ァ!』
「「はいぃい!!」」
『あたしがここにいる事がバレたから、これから他のチームが攻めてくるぞ』
「それもそうだな。もしかすると、手を組んで来るかもしれねぇな」
流石、大和よく分かってらっしゃる。
自分たちのチームだけじゃ敵わないと分かれば、他と手を組んでここに乗り込んでくるかもしれない。それが、まともなチームじゃないと、余計に性質が悪い。
あたしがどんな手を使ってでも華龍を仲間を守りたいのと同じように、どんな手を使ってでも潰しに来る奴らもいる。
それをあたしは潰してきた。けれど、今は。
『だから、どんな奴等が来ても良いように“厳しく”行くぞ?』
「「は、はいー…」」
彼等の喧嘩に手出しする気は無い。
でも、あたしを潰すために彼等が傷つくのならばあたしは…。
その為にも今は彼等と向き合おう。彼等が強くなりたいと願うなら、その願いを叶える手助けをしてやればいい。それはきっと、彼等の為にもあたしの為にもなる。