最弱暴走族と桜【完】SS更新中!


「桜ねぇぇぇえっ!」

『うぎゃ』



家に帰ると待っていたのは、桃李と言う名の犬で。玄関を開けた瞬間飛び付いて来た。



「桜姉っ!大丈夫だった!?鬼刃が殴り込みに来たって尚から聞いて、俺心配してたんだからね!聞いてる、桜姉?!桜姉はあんなことしてても女の子なんだから顔に傷が付いて傷痕でも残ったら大変なんだから!!ちゃんと自分の心配もしてよ!大和もいるからって気を抜いてると直ぐに大事になるんだから!!」

『う、ん。わ、解った!解ったから離してー…っ!』



身体を揺さぶられながらのマシンガントーク。この組み合わせは最悪だ。



「本当…、心配した」

『うん。ごめんね、ありがとう』



心配させた謝罪と心配してくれた感謝。
頭を撫でてやるとギュウと腕に力を入れてあたしを抱き締める桃李。

弟って言ったって一個しか変わらない歳の差と男女の差。桃李は男であって喧嘩は弱くても力はそれなりにあるわけで。



『ちょ、桃李!苦し…っ』

「心配させた罰」

『えぇ…!』



せめてリビング行こうよ!そう訴えると、案外あっさりと放してくれた。



「あら、桜。お帰り」

『ただいま』

「おぉ、桜。今日、殴り込みがあったんだって?」

『うん。勝ったけどね』



リビングに入ると母さんと父さんがいた。
母さんは晩ご飯の準備をしてたけど。父さん手伝えよ。



「…桜姉、それって鋼牙がこの街のトップになったんじゃないの?殴り込みして来たの鬼刃だったんでしょ?」

『さぁ、何処かは知らないけど』

「「……」」

「あら、あの子たちこの街のトップになったの?お祝いしなきゃ」



母さんは花を飛ばしながら言った。




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