最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
「あ?桜の中学時代が知りたい?」
美樹がそういうと何度も頷く五人。
「あ~、そうだなぁ…」
当時を思い出しているのか目を閉じて顎に手を当てながら「うーん」と唸る。
「まぁ、簡単に言うと一番荒れてたな」
「姐さんが?」
「おう。一応反抗期だったし、華龍に入ってたけど一匹狼みたいな感じだったからなー」
「総長とは?」
「大和はアレじゃねぇか?唯一、気が許せる相手だったんだろ。アイツも一匹狼だったしな」
桜は血桜化すれば恐ろしいけれど、それ以外は優しく面倒見がいい人で。
五人にとっては中学時代の桜が荒れている姿など思い付かない。
けれど、血桜化した桜が荒れてた。と、思えば五人は顔を青くする。
「何だ、お前ら。顔色が悪いぞ?」
「い、いや…。何でもねぇよ…」
聞いてはいけない事を聞いた気になってしまった五人は、これから道場で待つ桜にどんな顔で会おうか必死になって考えていた。
その時、
ヴーヴー。
「どいつだ。学校に携帯なんぞ持ってきてる奴は…?」
「わぁッわぁーっ!!ミキちゃんゴメン!でも、出さして。姐さんからだから!!」
相汰は学ランのポケットから青い携帯電話を取り出す。慌てすぎて落としかけるが直ぐに携帯を耳に当てる。
「も、もしもし!姐さんっ」
――あ、相汰くん?まだ、補習終わらないですか?
くん付けの時は血桜化していない桜。所謂、優しく面倒見がいい桜で電話に出た相汰はホッとする。
補習は午前中だけで、昼からは稽古にでる予定だったが昼を過ぎても帰ってこない五人に桜は若干心配になって電話をかけたのだ。