最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
「はっはっは!!お前らもまだまだ、だな」
「「うぎゃゃやぁああぁぁあ!!ね、姐さん助けてぇええ゛!!」」
『………』
あっという間に死屍累々となった道場。
顔を青くして助けを求めるのはお父さんにヤられかけている人達です。
「あの人もまだまだ現役だな」
『あ、先生』
私の隣に立ったのは相楽先生です。
学校ではスーツ姿で会うのは久しぶりなので、私服姿は何か新鮮です。
「あ?何だお前」
『何がですか?』
じろじろと品定めするように上から下まで見る先生は、何やら考えている様子です。
「桜」
『わ……っ!?や、大和?』
「おー、久しぶり大和!」
殺気が溢れだしている大和とは対象的に軽い先生。
「テメェ死ね」
「あー?まだ怒ってるのか?束縛しすぎると嫌われるぞ」
「…るせぇ。黙れ。息の根止める」
私を背後に隠して先生と睨み合っている大和は今にも犯罪の道に走りそうです。
「あー、ミキちゃん完全に遊んでる…」
『相汰くん』
捲き込まれない様に少し離れているとあたしの隣に来た相汰くん。
相汰くんの頬は赤く腫れています。お父さんの拳を一発、まともに受けましたね。
『大丈夫ですか?』
「…?いてっ」
ポケットからハンカチを取り出して相汰くんの頬にできるだけ優しく当てます。
「ね、ねねね、姐さん…っ?」
『はい?あ、痛かったですか?』
「い、いや、そういう事じゃ無くて……!」
痛みに顔をしかめたと思い気や急に顔を赤く火照らした相汰くん。
「相汰くん?」
「相汰」
「み、ミキちゃん、そ、総長……っ!」
睨み合っていた二人の声に私が振り向くと、あの怖い笑みを浮かべた先生と不機嫌最高潮の大和の姿が。
相汰くんは赤く火照らしていた顔をサッと真っ青にしてポツリと呟く。