最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
「「血桜を殺す為の!!」」
あたしの足元に倒れているヤツと相楽の足元に倒れているヤツの言葉が重なる。
「桜伏せろッ!」
――…パァンッ
大和が男を取り押さえたのと、あたしが地面に倒れたのは一緒くらいだったと思う。
〝――…パァンッ〟
「「!!?」」
「何の、音…?」
「今のは…」
「銃声ですね…」
メンバーが騒がしくなるなか父さんと相楽は冷静に呟く。
「桜……」
「…太一さん。俺が見てきます。コイツ等をお願いします」
父さんが心配そうにあたしの名前を呼ぶなか相楽は相変わらず冷静に父さんに向かって言う。そして背を向けて走り出した。
「太一、さん。まさか…」
「大丈夫だ、尚人。桜には寿達もいるし大和もいる」
大丈夫だ。そう力強く言ってからメンバーにも目線を送る。
左腕に激痛が走る。
『…っ…ぅ…』
「桜ッ!」
微かに瞼を開くと大和に取り押さえられている男が目に入った。
二人の側には拳銃が転がっている。
あれで撃たれたのか…。