最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
そのニ。
『美味しいですっ』
「あら、良かったわ。桜が帰って来るって聞いたから張り切ったのよ?」
私はお母さんが作ってくれたケーキをぱくり。と食べます。元パティシエのお母さんの作るケーキは格別なんですよ?
「桜は益々お母さんに似て美人になったな。あいつ等の側に置いておくのは勿体ない」
『煽てても何も出ませんよ?みんな元気ですし』
そうか。としみじみと頷くお父さんは元華龍の総長で馬鹿幹部の大先輩です。
私の家族はお父さんとお母さん。そして、弟が一人の四人家族です。
弟は夜遊びに行って今は居ませんが、まあ高一ですから大丈夫でしょう。因みに私は高二です。
「そう言えば桃李が何かわーわー言ってたな…」
「そうねぇ。転がるように外に飛び出して…。危ないわぁ、もう」
なんという弟ですか?!お母さんを心配させるなんて!
帰ってきたらあたしがギャフンと言わせないとダメですね…。
弟の桃李(トウリ)も地元のチームに入っているみたいです。今日、帰って来て知りましたけど。
『……お父さん、綱牙って知ってますか?尚さんって人がいる…』
「ん?尚人に会ったのか?」
んん?尚人(ナオヒト)?
「綱牙の尚、だろ?本名は尾野(オノ)尚人って言うんだ。どうした?」
『いえ、今日散歩に行ったときに色々あって。知り合いですか?』
「まぁな、桃李の高校の先輩でチーム同士仲が良いんだ。お互い、そんなに強くはないけどな」
わはははッと笑うお父さん。
まぁ、そうですね。強くはないけど
『尚さんは強いと思いますよ、心が』