最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
『…い…っ』
「バカ野郎!じっとしてろ!!」
『へい、き……だっ』
相楽が怒鳴るが気にせず上体を起こす。
そして、飛鳥に手伝ってもらい立ち上がり大和たちの側に行く。
大和と寿によって拘束されてる男はまだあたし達と変わらない年頃だった。
それでも瞳は濁って意識もはっきりしていない。
薬物依存になっているんだ。
『お前、総長じゃ無いな。お前らのトップは何処にいる?』
「…ちざくら、ころす。ちざくらころす。ちざくらころすッ!」
呂律が回っていない口調で呟き出した言葉は次第に大きくなり叫び声になった。
『……寿』
「その前に病院だ」
『あたしは大丈夫だ』
「大丈夫じゃねぇだろっ!片腕一本でどうやって喧嘩する気だ?!」
寿ならコイツ等のトップが何処にいるか調べられる。
すぐに分かるなら今からでも潰しに行きたい。
「…桜」
『何だ、やま――…っ!?』
呼吸が 一瞬 止まった。
『や、ま……と…?』
あたしの腹に食い込む大和の拳。
何で……?
「お前は絶対に行かせない」
その言葉を最後にあたしの意識は途切れた。