最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
桜が気に入っている彼らはまだ弱い。
「寿、飛鳥、行くぞ」
「ああ」
「おう!」
俺達は闇月の溜まり場に向かった。
そこは狂っていた。
場所はもう破棄された工場跡。
薬に手を出した奴等何てまともなヤツじゃない。
「クスリ臭ぇ」
「駄々言ってないで手を動かせ」
「雑魚ばっかりだな…、トップは奥か?」
桜に襲いかかってきた奴等の様に、狂った様に鉄パイプや角棒、ナイフを振り回す闇月。
けれど肝心の総長と幹部がいない。
「いってぇ!」
飛鳥の方を見てみると頬が赤く腫れていた。
バカが。油断しているからだ。
「数が多いんだよ!!」
俺の心を悟ったのか叫ぶ飛鳥。
「まあ、確かに多いな」
「でも雑魚ばっかりだ」
大和の言う通り。掛かってくるのは雑魚ばっかり。
どうして、
「どうして幹部が出てこない、か?」
「!?」
後ろに振り向くと雑魚の中に雰囲気の違う茶髪の男が一人いた。
「何だテメェ…」
「秘密。でも教えてあげるよ」
男は笑いながら呟いた。
「〝 〟」
「!!?」
その内容は笑いながら言うような事では無かった。
それでも茶髪の男は笑いながら言った。
「テメェ、夜闇の……!」
「また遊ぼうね。―――…華龍の寿くん」
「…な…っ!?」
「寿!後ろッ!!」
唖然として内心焦っていた俺は背後から降り下ろされた角棒に気付かず、飛鳥の声にハッとすれば頭に激痛が走った。
「何やってんだ!寿!?」
「悪い、…大和」
膝を付いた俺に掛かって来た奴等を大和が潰す。