最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
「聞こえたか?」
「おう!クスリか金で釣ったんだろうな」
「アイツ等…、全く……」
……手間取って当たり前だ。
予想外に闇月とは違うチームが二つもいて、その上それなりに喧嘩の出来る奴がいれば手間取るに決まってる。
「つう事は」
「コイツ等は雑魚中の雑魚と言うわけだ」
なら闇月は何処、に、い…る…?
ちょっと待て。
あの男、何て言ってた………?
飛鳥と大和は雑魚と解ったら途端、ボッコボコとやる気を出し始めた。
「…スゲェー…」
「…人が飛んでるぞ?…」
此処から見て、ここにいる大和の仲間は三人。俺と飛鳥を案内した中学生と後は見知らぬ二人。
他の大和の仲間は…?壁の向こうに隠れているのか?
「〝手遅れだよ〟」
何が……?
俺は初め、あの男――夜闇の仲間――が闇月の総長と幹部を殺したか、もしくはそれ以上に痛め付けたんだと思っていた。
夜闇はそんな事を平気でやる。
俺は二人から離れて大和の仲間の所へ行く。
「おい!お前ら!!」
「うぇっ…!?」
「わわわっ!バレたぞ!?」
三人の側に駆け寄り辺りを見渡すが他に誰もいない。
「他の奴等はどうした?」
「へ…っ?え、えっと、何時もの道場にいますよ」
桜は美樹さんが病院に連れていっている。
もしかすると太一さんも一緒に病院に行っているかもしれない。
だったら彼等の側には、いま腕の立つ人物がいない。
…彼等が危ない。