最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
その十八。(第三者目線)
相汰は走っていた。
年上の仲間二人と共に。
「…クソッ」
相汰達は銃声が響き渡った後、コッソリと抜け出して桜達の様子を見に行った。
遠目に見えたのは相楽に抱き上げられる怪我をした桜と今から喧嘩をしに行くであろう大和達。
相汰達は迷った挙げ句、大和達に着いていった。
凄まじかった。
たった三人で数十人を相手にして、互角にやり合っている姿。
アレが華龍総長・血桜の隣に、後ろに立つ人間なんだと実感した。
そして尚人から掛かって来た電話。
あの華龍の幹部の人が焦っていた。
殴り込みに来た奴等はそれほど危険な奴等なのか。
問わずとも解る。
危険だ。
桜が怪我をした原因は奴等が持っていた拳銃。
そんなモノを持っていると考えただけで血の気が引くのが解る。
それに最近喧嘩をした〝鬼刃〟のメンバーの様子が、おかしかった。
まるで相手を視界に捉えていてもそれが誰だか解っていない様なそんな感じ。
喧嘩の仕方もでたらめで、ただ武器を振り回しているだけだった。
たった数日であそこまで変わってしまった彼等が怖かった。
ただ真っ直ぐ道場への道を走り続ける相汰達。