最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
ドォンッ ドォンッ
「クソッ……!」
柚原は顔を歪めながらドアを押さえる。
ドアを押さえているのは柚原を含めて四、五人。
全員かすり傷や打撲などの怪我をしているがまだ軽少な方だった。
道場内には頭から血を流すヤツや手足の骨を折っているヤツもいる。
ドォンッドォンッと道場のドアを破ろうとしている奴等からは怒声やら罵声が聞こえた。
突然だった。
太一がこの場を後にして直ぐ、奴等は敷地内に入ってきた。
そして突然の事で唖然としている柚原達に襲いかかって来たのだ。
「畜生…!」
奴等が桜を傷付けた奴等だと気付くまでに少しかかった。
太一に注意されて警戒しているつもりだった。
それなのに太一がいなくなるのを待っていたかの様に現れた奴等に柚原達はなす術が無かった。
「柚原!」
「尚人…!大和さん達は……!?」
「もう直ぐしたら来る!それまで持ってくれ!!」
「…解った……っ」
尚人は左腕を押さえながら叫ぶ。
尚人の左腕は鉄パイプで殴られ、きっと骨折している。
ドォンッ ドォンッ
今この状況で襲われたら、もしかすると死人が出るかもしれない。
「(クソッタレ!!そんな事させるかよっ)」
奴等のやり方には加減が無かった。
ただ一方的に殴りかかられ、その上武器を持っている。
アイツ等は人を傷付ける事に何も感じていない。そんな感じがした。