最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
どうすればアレを避けれる?どうすればあの男に拳が届く?どうすれば俺は死なない?
相汰は必死に考えるが焦りと恐怖が思考の一番前に来て、冷静に考えられない。
「お前も〝アイツ〟と同じ、か…?」
「アイ、ツ…?」
男の目がしっかりと相汰を捉える。
相汰は男が呟く言葉に首を傾げながらも、視線を逸らさない。
「見るな…、俺を。その目で…っ」
「……?」
「バカ…相汰!逃げろ!!」
「ミキちゃん…?」
何故か道場の屋根の上にいる相楽。
一瞬、気が逸れる。
「俺をその目で見るなぁぁぁあぁ!!大翔ぉおッッ!!!」
「……え…?」
兄貴…?
相汰は来るべき衝撃に耐えるようにギュっと目を閉じる。
――…パァン!!
「……?」
しかし銃声が聞こえてからいくら経っても衝撃も痛みも何も来ない。
相汰は意を決して目をゆっくりと開ける。
そこに映ったのは、自分より大きな背中。
「あ、に…き……?」