最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
「よう、相汰。お前、随分ボロボロだな?」
拳銃で撃たれたハズなのに余裕な大翔。
相汰は今起こっている状況に着いていけず放心している。
「相汰ッ!?無事か!??」
「ゆ、ずは、ら…?」
腰を抜かしている相汰に駆け寄る柚原と数人の綱牙のメンバー。
「大翔!」
「うっす、美樹さん」
「大丈夫か…!?」
美樹が屋根から飛び降りて大翔に駆け寄ると、大翔は手に持っていた角棒を見せる。
角棒には銃弾がはまっており、それを中心として皹が入っていた。
「………。はぁー…、まったくお前は…」
「いやー…。美樹さんや桜程じゃないっすよ」
「何で照れるんだ?誉めてねぇぞ」
何故か、照れ臭そうに頭を掻く大翔。
そんな大翔を呆れた目でみる美樹。
「……え、兄貴?」
「ん?」
「まさか、兄貴も〝元華龍の総長でした〟みたいな感じ?」
「みたいな感じだぞ。なぁ?悠馬」
信じられない様な顔で相汰と綱牙のメンバーは大翔を見上げる。
大翔は苦笑しながら相汰を立たせて、未だ拳銃を握る男に向き直る。
「大翔……!」
「三年ぶりだな。まさか、こんな所に隠れてたなんて知らなかったぜ?」
「知り合いか?」
「まあ、三年前の戦争の相手っす。…それ以前に友達だったんっすけど」
そう言う大翔の瞳は悲しみに揺れていた。
「悠馬。お前はまた間違いを犯す気か?あの時、分かったんじゃ無かったのか?ンなもん、お前にはもう必要無いだろ!」
「うるせぇえぇぇえっ!!俺とお前は違うんだッ!俺にはもう後がねぇんだよッ!!」
そう叫んで拳銃を構える男、悠馬。
大翔は悠馬を止めようと近付くが錯乱状態に陥っているようで危険だ。
「おい、お前等」
「「はい?」」
柚原達は闇月を見ていたが美樹の呼び掛けに答える。
「相汰を連れてここから逃げろ」
「え…、でも」
「もう時期、大和達も来る。お前等は他の奴等と一緒に病院にでも行ってろ」
「ミキちゃん…」
確かに相汰は限界が近かった。
頭はフラフラするし目は霞んで見える。