最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
楯突く気なんてサラサラ無いが、撃たれた次の日に動くのは良くない事ぐらい誰にでも解る。
「……っ!今日は寝ててください!」
『あ゛!?相汰テメェ…!』
「おいおい、何やってんだお前等…」
「美樹さん…」
珍しく意地を張る相汰。
そんな相汰に殴りかかろうとする桜を抑える大和と飛鳥。
そこへ来た美樹。
美樹は部屋の有り様に呆然とする。
「桜。寝ろ」
『はァ!?ざけんなッ。ンなことしてたら総会に間に合わなく……』
「寝ろ」
『……っ!』
桜は何時もとは違う美樹の鋭く冷血な目にゾッとし身を竦ませる。
『……わか、った…よ』
「よろしい」
桜の身体から力が抜け大和と飛鳥もため息を吐いてから手を離す。
美樹は桜の頭を撫でてから相汰達の方に向く。
「お前等はもう帰れ。こんなに人がいたら休むにも休めねぇだろ」
「……はい」
綱牙のメンバーは静かに頷いてドアから出ていく。
「相汰ってあんなに頑固だったっけ?」
「ここ数日で桜の性格に似たな」
ギロリ。と桜は大翔と美樹を睨む。
が、美樹に睨み返されて流石の桜も何も言えない。
「桜」
『……ん?』
途中、部屋から居なくなっていた寿が携帯を片手に戻ってきた。
桜の部屋は個室だから携帯電話くらいは大丈夫らしい。
不機嫌なまま返事をすると寿は真剣な顔で。
『誰だ?』
桜は寿から携帯を渡され首を傾げる。
一応通話中になっている。
「黒龍」
『!…、もしもし』
――空道か?
『あぁ』
電話の主は、
黒龍六代目総長
氷室零。