最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
昨日、氷室と電話して分かった事。
それは、数年前の戦争よりも大きな戦争になると言うこと。
昨日の氷室の声で分かった。
普通を装っていたが隠しきれていない。
不安そうな声だった。
きっと誰も分からないと思う。
あたしでも、違和感を感じ取った程度。一瞬だった。
『……あたしだって、』
トップは絶対に弱音を吐かない。吐けない。
吐けば、チームが崩れる。
そんな事、分かりきってる。
「―――…桜」
『え、…大和?』
今の時間は朝の四時半。
朝だよ、朝。
なにがなんでもお見舞いには早すぎるでしょ。
ってか、何で病院に入れたの?
『どうしたの?』
「………」
大和は静かに部屋に入ってきて、静かにベッドに腰掛けた。
静か過ぎて不気味だ。色々な意味で、怖いよ。
「桜…」
『ん?』
大和の声に耳を傾ける。
「俺は、行って欲しくない」
『………戦争、に?』
頷く大和の背中をあたしは見つめる。
『それは、無理な願い、だな』
「解ってる。解ってるけど、俺は行って欲しくないんだ」
不意に姫蝶の言葉が頭に蘇る。
〝彼の気持ちも聞いてあげなよ〟