If...



「翔、自己紹介。」


隼人さんが、トン、と子犬の背中を押す。



「・・・原田 翔。」



子犬は、ブスっとした表情で、ぶっきらぼうに自分の名前を言う。


あたしが嫌いって言うより、

もしかして・・・



「ごめんね~。翔は女の子が嫌いなんだ。普段、ここには女の子は入れないから、びっくりしちゃったみたいで・・・」



やっぱり、女嫌いなんだ。



・・・敬愛する総長のベットに、だいっ嫌いな女が寝ていたら、
そりゃ、驚くよね・・・



「びっくりさせて、ごめんなさい。・・・佐々岡 春です。」


ぺこり、翔さんに謝罪の意味も込めて、礼をする。


顔を上げると、翔さんは驚愕の表情を隠せないようだった。












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