俺がサンタで君がトナカイ【BL】
「ちょいとそこ行くお兄さんっ、
ホールケーキいかがかな?!」
寒い。窓開けたら寒い。
めちゃくちゃ雪入ってくるって。
さっきまで居た場所は、
ちらほら降ってるだけで、
あ、ホワイトクリスマスだね、よかったな!ってさらに憎々しくなるだけだった。
だけどこの辺は、
綺麗なツリーを見に行くとかじゃなくて、
家で飾って、まったり過ごしたくなるような感じ。
だからだろうか、いちゃつくカップルの姿は無く、俺の心も平穏を保っていられた。
だけど今、
車内の暖かさに油断していて、
窓から吹き込んでくる雪の冷たさに、
思わず叫ぶような声で呼びかけてしまった。
今は、またワゴン車になっている。
雪で道が狭まっていたからだ。
その助手席から青年に声をかけ、
無事にケーキを手に入れさせる事が出来た。
けれど、今度はこれで終わりじゃない。