俺がサンタで君がトナカイ【BL】
「……じゃ、行こうか」
「…………。そうだな」
……微かに聞こえる息遣いが寝息かどうか判断できる、このサンタイヤーが憎らしい。
おかげで車内が微妙な雰囲気じゃないか。
っていうかさっさとケーキ食えよ!
クリスマスらしい光景を作り出せよ!なんだよ!
「あのケーキ爆発しないかな!」
「それはそれで盛り上がりそうだけど」
ニヤニヤ笑いをこぼすトナカイに、
何て返そうか考えあぐね、結局無言。
そのまま、雪に吸収されれば人間には聞こえなくなる程の音しか出なくした車で山を下りる。本当、便利な力だ。