俺がサンタで君がトナカイ【BL】
「起こそうと思って」
押し返して起き上がって、
理由を尋ねると、何の悪気も無しにそう答えた。
「普通に起こせよ」
「でもさ、折角クリスマスなんだし、
ちょっとロマンを追及してみようと思って」
その言い訳は、キスだけにかかるものだろう。
「だったら鼻つまむなよ!」
ロマンも雰囲気も何もないだろうよ!
「口開くかなーと思って」
「そりゃな!」
口呼吸するしかなくなるから、そりゃ開けるさ。
呼吸、飲食する時、喋る時に口は開くもんだからな。
そう、今も。
話しているんだから、口は開いている。
彼の望んだ通りに。