俺がサンタで君がトナカイ【BL】
そんな感じでカップルを憎々しく思っている俺だが、担当するのは彼らだ。
まだ年若くサンタらしい風貌でない俺は、
子供たちにプレゼントを届けるのではなく、恋人たちに幸せをプレゼントして回る。
さっきのやり取りを見れば誰でも感づくだろうが、俺とトナカイは恋人同士だ。
だから一緒にクリスマスを過ごせても、仕事。
ずっと運転させっぱだし、こっちはプレゼントを考えていなければならない。
だからこっちの事情も知らずに楽しむカップルに、勝手ながら怒りを覚えさせてもらう。
本当、爆発しないかな。
せめて子ども相手ならば、
まだ落ち着いた心でいられる。
だけどもう暫くは、きっとこの役割を振られる事だろう。
本来のサンタの仕事をしている父さんや祖父ちゃんが羨ましい。
俺も早く立派なサンタになりたいよ……。