ソラシド
―あんたってさ、なんでソラシドだけやけに丁寧なの

―だって好きなんだもん



これが練習が始まって1時間後に必ず交わす会話だ。

バカの一つ覚えみたいに、毎日毎日繰り返される。

そんなバカの片割れである我が友人、美香子は私の事情を唯一知っている人物である。


―そんなちっぽけなオトなんてさ聞こえてるワケないでしょ

―そんなことないよ

―私はソラシドが一番嫌い、大嫌い



ソラシドは一番素直で優しい。そして悲しい。

そして思うままに笑って、泣いて怒る。

そんな彼にそっくりなのだ。



< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop