夕焼け色に染まる頃
それからというものの、私の噂は瞬く間に学校中に広まった。
当然、私に近寄る人は減ってくる。
……うぅん、すぐにいなくなった。
当たり前だよねぇ、私だったら一家心中なんかに巻き込まれた女なんかと友達になるのも恋人になるのも嫌、だと思うんだ。
だからこそ、ひたむきに事実をかくして、友達を作って、時には彼氏って呼べる人だっていたけれど。
この人なら大丈夫、あの子なら信じられる、私を知ってほしい――……全部知って欲しいから、全部言いたい。
「私ね、お父さんとお母さんいないんだ」
「え?」
「わかんなかった?」
「いや……前から、話題には出ないなとは思ってたけど、まさか――……何かあったのか?」
「うん、聞いてくれる?」
「当たり前だろ!」
そう決心して事実を言えば、必ずと言って良いほど友達は、恋人は、私の前から姿を消した。
「お父さんとお母さんはね、一家心中しようとしたの。なのにね、私だけ生き残っちゃったの」
「………、は……?」
「身体中にね、お父さんとお母さんの引っ掻き傷が残ってる。ずっと消えない……ずっと」
ぼろぼろと涙がでてきて、でも、顔をあげればとても歪んだ顔で私を見る友人や恋人がいつも、いつもいつもいた。