夕焼け色に染まる頃



それはとても優しく触れて、離れて、


――――………もう一度、触れて。


恥ずかしくて、息をする間もなくて、

少しだけ、「息が足りない」って生理的な声が漏れて。


それでも離れない唇に、否、正確には離れたりついたり、私の唇を啄むように重ねる、高杉さんの唇に、徐々に思考回路を奪われていって―――――…………


私はもう一度、深い眠りにつく。



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