夕焼け色に染まる頃
「つ………」
高杉さんにそっと体を支えてもらい、上半身を立たせて。
やっとこさ布団の上に座れた私は、苦笑いで高杉さんを見る。
うわぁ、不機嫌そうな顔。
折角のイケメンが、とても怖い顔をしてしまっている。
……そうだなあ、こうして改めて見ると高杉さんてかなりイケメンなんだなあ。
不意にそんな事を思っては、至近距離にある高杉さんの顔を見つめている自分が恥ずかしくなる。
「へへ。もう大丈夫かな、って思ったんですけど」
だから、視線をどこか別の方向にやって。
「ンなわけあるかよ!あれからまだ3日しか経ってねぇんだ、人の体はそんな頑丈に出来てる訳じゃねぇ!」
「いたぁっ」
そうしたら、高杉さんはスパァン!と私の後頭部を叩いた。
呻く私を見れば、高杉さんはあからさまにしまった!という顔。
「す、すまねぇ。つい」
「つい、って……。いや、良いんです。まあ私自身、なんとなく動いたら痛いだろうなあって思ってましたし……」
なんて、ペロリと舌を見せれば。
小さく溜め息をついて、ボリボリと今度は己の後頭部を掻き出す。
「まあ分からんでもねぇけどよ。おめぇの事心配してる奴ぁ沢山いんだ、ちったぁ自分のこと大事にしとけ」