夕焼け色に染まる頃


賑やかな広間。


バラバラと私達に声を掛けてきてくれる皆さんは言うまでもなく元気いっぱいで、じんわり心が暖まるのを感じる。


そんな時。


「おやおや、懐かしい顔があると思えば朔君。布団にくるまったまま朝食かね」


久しく聞いて居なかった伊藤さんの穏やかな声が聞こえ、そちらを見ればくつくつと肩を揺らしながらこちらに来る伊藤さんがいて。


「伊藤さん」


「よぉ、伊藤」


高杉さんと同時に挨拶をする。


「やあ、お二方。なんとまあ゙似だ顔になってしまって。実にイイ顔だとは思わないかい、なあ」


なんて近くの隊士に同意を求めつつ、適当な場所へと腰をかけた伊藤さんは緩やかにあぐらの上へ頬杖をついてこちらを見てくるのだ。

その口許には穏やかな笑みを称えて。


「似ているたぁご挨拶じゃねぇか伊藤?」


「いやぁ誉め言葉さ、高杉君。さて、怪我の具合は如何かね?」


「あ、てめぇ逃げやがって。……まぁ、朔に関しちゃこの通りさな」


じろ、と冗談混じりに伊藤さんを睨んだ後に、高杉さんはこちらもちらりと見て。


「ほぅ、布団にぐるぐる巻きとな」


「……はい、布団にぐるぐる巻きではありますが、こうして広間へ出れる程度には――……」



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