夕焼け色に染まる頃
わざわざそんな事を言う、高杉さんの真意とは何かと少し考えてしまった。
「俺からの、贈り物だ。お前へ」
ふ、と笑った顔が大人っぽくて、……かっこよくて。
高鳴ったように感じる胸の鼓動に気付かぬ振りをして、微笑み返す。
高鳴ったのは何故?
なんて、難しい自問自答の答えは簡単には出てくれないのだから。
高杉さんの、もっともっと深いところにあるであろう真意に感付いてしまったからか。
それとも、私の気持ちが、心が、高杉さんに向いて高鳴ってしまったか。
もしかしたら、両方なんてことも――………。
「ううん、だめ」
小さく、小さく呟く。
「だめだよ」
だって、私と高杉さんは違う時間を生きていた筈の人なんだから。
それが何故か今、こうして同じ道をあるけているだけで、それはいつ崩壊してしまうかわからない。
こんな気持ちを持ってしまったら、傷付くだけだ。
だったら、高杉さんの深くにあるであろう真意を理解して、受け入れたほうが良いに決まってる―――………。
いつの間にか、ぎゅっと両手を握っていた。
前を歩く高杉さんと並びたくて、小走りになって。
そっとその袖の裾を握ってやれば、「なんだ?」なんてこっちを振り替えって優しく微笑んでくれて。