夕焼け色に染まる頃
ああ、でも、神様。
お願い。
お願い、もう少しだけ。
高杉さんと一緒にいたいよ。
私を暗くて冷たい泥沼から引っ張りあげて、光に導いてくれた人なんだ。
もし、貴方が、高杉さんが、帰れと言うならば私は言う通りそうします。
けれどもね。
今日くれた赤くてまぁるい玉簪と、桜色の着物は高杉さんとこの世界を生きた証。
ずっと、ずっとそれを忘れないで、縛られて生きていってしまう自信しかないよ。
だって、ねぇ。
高杉さん。
大好きです。
でも、いじわるなひと。
だって、「この先離れることがあっても、俺の事を忘れるな」って、言葉では言ってくれない癖に。
何も言わずに、こうして贈り物をしてくれるんだから。
……いじわるなひと。
……大好き、です。
そう、紛れもなく――………
これが"今"の私の気持ち。