夕焼け色に染まる頃

01


聞いたところによると、これから会う人物は現世の日本でも有名な坂本龍馬や、中岡慎太郎らしい。

それをきいてたまげたのはつい先日の話。

今、私は京都の街を高杉さん、伊藤さんと共に歩いている。

「流石京都だわなぁ、新撰組の匂いがあちらこちらでするからにゃあ迂闊にはであるけねぇわ」


「当たり前でしょうなあそんなことは。高杉さんほどの者とあらば……おっと、これは失礼」


「い、伊藤さん……!」


「まあまあ、そう緊張せんでいい。朔、そんなに肩に力が入っていたら逆に怪しいと思わねぇかい?」


ぐ、っと言葉に詰まる。

確かに、京の街に出てきてからというものの、私は神経を尖らせ過ぎているところはあると思う。

が、先程の伊藤さんの失言のように、ヘラヘラしてるのもどうかと思うんだ。

普段は頭のキレる人なのに、なんでこんなとこでボロが出てしまうのかわけがわからない。

「………っく、く、」


「ほれみろ、お前の反応がおかしいからってこいつがふざけてる」


……前言撤回、伊藤さんは意地悪な人です。


ともあれ、そんな他愛ない(?)話をしながら歩いて向かう先については、さっきから高杉さんに聞いても伊藤さんに聞いても教えてはくれなかった。
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