夕焼け色に染まる頃


はっきりしない自分の心が嫌で、嫌で嫌で、

ぐっと、そっと、沖田さんにばれないように唇を噛んだ。

その上、まさか前を歩く沖田さんの背中を高杉さんと重ねて見てしまっただなんて、言えやしない。

どこまで自分は汚く、弱い人間なんだろうと思ってしまったが最後、心臓はドクドクと血を脈打って流しそれさえも汚らわしい事に思えてきてしまう。

嗚呼、と。

一度深呼吸をしなければ、息が詰まりそうだ。

何故、重ね合わせて見てしまうのだろうか。

沖田さんも高杉さんも、性格や見た目が似ているわけではない。

そもそも、二人は思想もなにもかも全て違う、とは少し話しただけでわかった。

私は高杉さんの考えをよくよく知っていて、そして今目の前にいる沖田さんは新撰組値属していて、それだけでもう考えが反対方向であることはわかる。


「………沖田さん」


「はい?なんでしょう」


このやりとりから始まる会話は、今日沖田さんに会ってから何度目だろう。

きっと私は、お話をするのが下手くそだ。

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