夕焼け色に染まる頃
現代ではそう滅多に味わう事のたい、張り詰めた緊張感が私を襲う。
本来ならば逃げ出したいところを、私は歯を喰いしばって堪えた。
「まっ、まだ疑うと言うならば、ぬぬぬ脱ぎますよ!」
「……は?」
そして、咄嗟にでてきた言葉がこれだった。
「武器とか持ってません、し!」
私なりに、信用してもらおうと(咄嗟に)考えた訳だけれども、やっぱり無理があったかもしれない。
いや、あった。
今でこそ、私の突拍子もない発言にきょとんとする侍だけれども……、もし本当に脱げだなんて言われたら困る。
なんせ今は10月頃秋中ばだと判明、こんな気温の中ですっぽんぽんなんて寒いし。
なにより、……恥ずかしいし。
やばっ、余計な事を言っちゃったかもしれない、やっぱりよく考えて言うんだった。
後悔の念をこめて、恐る恐る侍を見上げれば、笑いを堪えているところだった。
「くっ、く……良い顔をするではないか。ってか、年頃の娘が脱ぐ、とは……」
体をくの字に曲げて、口元を両手で押さえて。
そして、未だに笑いを堪えたままのにやけ顔は此方をむいた。
ま、まって。嫌な予感。
「面白い、やってみろ」
「うっ……!」
的中……!