夕焼け色に染まる頃
本当は、本当は首を横に振りたい気分だろうけれども。
高杉さんは黒い笑顔でそれを阻止している、つまり私が何故こんな中途半端に脱ぎかけた格好でいるかを知っているようだった。
「すすすすみませ、せん、高杉さん」
通常よりも瞬きが多いまま、私は首を縦に振りつつ謝る。
「わた、私、疑われたのが、悔しくて、でもどんなに言っても信じてもらえな、くて」
高杉さんは私の頭を押さえたまま。
けれども、口を開かずに私の言葉を聞いてくれている。
その様子にまくし立てられたかのように、私は必死に言葉を紡いでいた。
「武器をもってない、怪しい者じゃない、って、信じてもらえるなら、証明できるなら、今の私なら脱げる、し……!」
途切れ途切れの言葉は高杉さんに伝わっているでしょうか。
正直不安だけれども、今はただ己の口からあふれでる気持ちを伝えようと必死に。
「今の私には、頼れる人が高杉さんしか、いない、んです!私は怪しい者じゃないですから……!怪しい者じゃないですから、………お願いです……助けて……」
気付けば、しゃがみ込んでいた体制から膝をついて身をのりだし。
高杉さんにすがるような形になっていた。
高杉さんは以前として口を閉じたまま。