夕焼け色に染まる頃
頭のネジがどこか飛んでいる感じで、だからこそこんな状況下にある今でも私は高杉さんに普通に接する事ができるんじゃないかな、なんて思う。
もちろん、それはバカなんだと言っている訳じゃなくて。
むしろ、門での事を考えるととても頭の切れる人なんだと思う。
でもこうして、桂さんと小五郎さん(仮)の呼び名を本気で考えている高杉さんを見てると……
見て……る、と……。
馬鹿に見えます。
ごめんなさい高杉さん。
「よし、決まった。桂の方の小五郎を小五郎、石川の方の小五郎は石川って呼ぶわ。間違えねぇようよろしく頼む」
「……あ、あぁ……」
「うん、確かに俺は高杉さんが桂さんを呼んだ時に振り向いちゃいそうだなぁ。気をつけるよ」
満足気に言う高杉さん、対して二人は疲れた表情の桂さんと本気っぽい表情で頷く石川?さん。
やっぱり、バカっぽ……いや、コントみたいで再び込み上げてくる笑いを私は堪えなくちゃいけなくなった。
「さて、女。お前の話を聞かせて貰おうか」
「……!……はい!」
けれども、高杉さんの言葉を聞くや否やそれはひっこんだ。
背筋をピンと伸ばして高杉さんの目を見る。