夕焼け色に染まる頃
部屋の中が、いっきに静まりかえったように感じた。
その中に一人私は放り出されて、怖くて、緊張して、膝の上に乗せる手が震える。
「私は、未来から来ました」
そして時間が一瞬、止まったように思えた。
ピタリと、緊張した雰囲気が氷のように固まり。
「……まさか……」
夢見心地で私を見ていた高杉さんの一言で、氷が砕け散ったかのように空気がざわついた。
「未来、とは?」
「言葉の通りですよ。未来、つまりこの世の中の時間軸において今よりも先から来たんです」
「まって……俺の頭がついていかないんだけど……?」
冷静に質問をしてくる桂さん。
けれどもその目は動揺の色が浮かんでいて、それが移ったかのように石川さんも挙動不審だった。
「石川さん、落ち着いてください。本当に、この娘さんの言った通り未来、ですよ。……しかし……」