夕焼け色に染まる頃


「信じられない」


そう、桂さんと石川さんの言葉が重なった。

聞きたくなかった言葉。
聞きたく、なかった……。

つい、俯く。
目の端に映る両手は、膝の上でふるふる震えていた。

いいや、手が震えていたんじゃない。
膝が、いや、全身が、震えていた。


「ふざけるな」


極めつけは、高杉さんの声。

その冷たい言葉は、冷たい視線と共にやはり私に向けられているのだろう。

顔をあげる事が出来ない、いいや、したくない。


「おい、お前さ。俺との約束、いつつめのだぜ。……守ってるよな」


は、と短いため息をつきながら問う高杉さんの声は、いかにも……呆れているようだった。


「はい」


震える声が忌々しい。
これじゃあ隠し事をしているのがバレて怯えているみたいだ。

そんなんじゃ、ないのに。

「そっか」


短い返事か、あまりに素っ気なく感じて泣きそうになった。


「……そっ…、か…、…ふ、くく……」

「……晋作?」


しかし、次の高杉さんの言葉はとてもおかしそうで。

楽しそう?
嬉しそう?
なんて表現すれば良いかわからないような笑い声が混じっていた。


「ほらみろ、お前ら。こいつは嘘を言ってねぇんだ、信じるもなにもねぇ」


え……?


「信じる、って選択肢しかねぇじゃねぇか」


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