夕焼け色に染まる頃
その顔は、悠然と微笑をはっつけてはいるけれども心配してくれているのがわかる。
そして、私は私の頬が濡れて乾いた跡がある事に気付いた。
あぁ、あの温もりは高杉さんの手だったのか。
「見てないですよ。夢って、深く眠ってしまうと見えない物です」
「そうなのか?俺的には深く眠った時に見る気がするが」
「ふふ、逆ですよ」
むくりと起き上がりながらの、幾つかの会話。
思うに、高杉さんってすごく好奇心旺盛で知りたがりで……そのかわり、物知りで考慮深いひとなんだと思う。
現に、高杉さんは今
「なるほど…」
なんて言いながら顎に手を当てて考えている。
「って事は何か、未来たぁ人が夢を見る原理なんかも解明してんのか?」
「はい、そう…言うことになりますかね」
「ほぉ、そりゃあすげぇなぁ……」
高杉さんはふむ、と満足気に頷いて。
どっかと胡座を掻いていた足を立てれば腰をいつでもあげれるような体制になった。
未だ足を布団の中に入れたまま、上半身だけを起こした状態の私はそんな高杉さんをきょとんと眺める事になる。
「……高杉さん……?」
なにしてるんですか、と問おうとしたところで、私は口を閉じた。