夕焼け色に染まる頃


やっぱり、なんでそんな反応をするのかが全然わからない。


「何か悪い事をしたんですか?」


「いや違う」


あ、でも悪い事をした訳ではないんだ。即答で返してくれた。


「じゃあ、やっぱりなんでですか?自分で行かないと、見つかったらロープ……」


「ろぅぷ?ってなんだ?」


「あっ……っと、縄で縛られてもしかしたら引きづられちゃうかもしれないんですよ?」


よっこいしょっと、布団からもぞもぞと出た。

あぁ、やっぱ寒いな……。
ちょこんと布団の上、高杉さんの前に正座をすれば彼の顔が良く見える。

なにやら困ったような表情で、やはり意味のわからない私は首を傾げた。


「……高杉さん。なにか困ってるなら、私が相談にのりますよ」


そんな言葉が出てきたのは、高杉さんの顔色がみるみるうちに蒼白になってきたからだ。

なんていうか、高杉さんは表情豊かでわかりやすい。


「いや……やばい……これはいかんな……」


「だから」


何がですか?
そう問おうとしたら、廊下からトン、トンとリズムの良い足音が聞こえてきた。


「いいか、良く聞け」


それが聞こえるや否や、高杉さんはガッシと私の肩を両手で掴んだ。

きゃ、なんて小さく声を漏らして高杉さんを見れば至って真剣で。


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