夕焼け色に染まる頃
「ふんっ、簡単な事を!」
しかし、そんな高杉さんの手を鼻で笑うと共に払いのけて、桂さんは腕を組んだ。
しかも、高杉さんよりも身長的には劣っているのに上から目線。
ぐん、と顎を上げて、眉を寄せて。
「晋作がいつまでたっても朝食に顔を出さなかったから、もしやと思い探したまで!」
けれども高杉さんだって負けてはいない。
首をかしげるように傾けて、眉を寄せ歪めた様は……喧嘩を売るヤンキー見たい……デス。
「あぁん?もしや、ってなんだよもしやって」
あぁもう、さっきまで面白そうだったのに逃げ出したい気分……。
「だから!晋作が、朔ちゃんの寝顔を見ようと部屋に忍びこんで」
「……で?」
「…え、ちょ……」
何故私!?
驚いて突っ込もうとするも間に合わず、話は続く。
「朔ちゃんの寝顔を見てたらムラムラしてきて、結局はあんなことやこんなこ」
「ちょ!?まま待ってください、桂さ、なんですかそれ!」
今のは桂さんの口から言わせてはならない事だった、と思う。
思わず高杉さんと桂さんの間に入ってしまった。
驚いて固まる桂さんと目があった。
もうしょうがない、こうなったら仲裁に入るしかないじゃない……!
っと、腹をくくって口を開いた瞬間だった。