夕焼け色に染まる頃
結局、答えられないで今。
さっきからずっと沈黙ばっかりで、そろそろ気まずくなってきた。
なにより、町行く人々の視線が痛い。
やはり着物を来ていない、洋服を纏う私は珍しいみたい。
遠慮なく通りすぎざまにじろじろと視線が突き刺さる。
対して、やはり他の人々は和服だ。
質素、と表現すればいいのだろうか。
前を行く高杉さんとはどうも違うような、実に素朴なものだった。
と言うか、高杉さんの着る着物が派手なだけのような。
着こなし方だって幾らか崩れていて、現代のヤンキー見たいな感じだろうか。
とにもかくにも、それが目立つことこの上ない……。
「おい、朔」
「はい?」
目立つ二人組で城下町歩いているんだから、そりゃあ尚更目立つよなぁ……なんて思いつつ。
名前を呼ばれて顔を上げれば、つい高杉さんをじいと見てしまった。
「……なんだよ」
怪訝そうに眉を潜める高杉さん。
「いいえ、なんでもありません。……高杉さんこそ、なんでしょう?」
「んだよ気になる……。お前の好きな色って何だ?または似合う色」
は。
何故そんな事を聞くのかがわからなくて私はつい立ち止まった。
けれども高杉さんはスタスタと進んで行ってしまう。
あ、ヤバい。見失いそうだ。