夕焼け色に染まる頃
「なんでぇ。二人してヒミツ事かい」
ふてくされたように言う高杉さんは、ポリポリと頭を掻いて佇まいを直した。
他のみんなも、さりげなく顔を引き締めて高杉さんを見る。
「まずは朔ちゃんについてだよ、晋作」
「高杉さんは、このこと朔ちゃんに話してあるのかい?」
そう、桂さんと石川さんの言葉が見事に重なった。
実はこのとき、私は二人の言葉が読み取れなくて、ただ
「二人が同時に高杉さんに何かを聞いたんだ」
って事しかわからなかった。
なのに高杉さんはその両方ともしっかり理解していたみたい。
口に微かな笑みを浮かべて、ゆったりと頷いた。
「残念ながら、まだこの事は朔に話していなくてな。だが、こいつは呑み込みが早い。決断力に関してもきっと宛にはなるさ、心配には及ばん」
「……まぁ、晋作がそう言うなら」
「俺達が口出すこともないけどねぇ」
二人はあっさりとひいては、ひとつため息をついた。
どうやら私よりも緊張しているのは二人らしい。
「なぁ、朔」
「はい?なんでしょう」
ふと呼ばれて、私はパッと顔を上げた。
そこで目が会った高杉さんは、高杉さん特有のゆったりとした笑みを称えて私を見ている。