夕焼け色に染まる頃


本心を言えば。きっと私は、高杉さんについて行きたいのだと思う。

……でもそれは私のわがままであって。

もしそれが高杉さん達の邪魔になってしまうのであれば、私は迷わず桂さんの方にいこうと思っていたのに。

高杉さんが、自信満々で、いかにも

「別に大丈夫だ」

「お前一人くらいどうってことない」

って顔で私を見るもんだから――……決心が鈍ってしまった。


私は、高杉さんについて行きたい。

高杉さんも、強がりだったとしても良いと言ってくれた。

でも、桂さん達はきっとそれに反対している。

これは困った。


「――……朔君の好きなようにすれば良いのではないだろうか?」


ふいに。

伊藤さんがポソリと呟いた言葉が耳に届いた。

多分この言葉は私にしか聞こえていない。

いつの間にか俯いてしまった私は、その体制のまま言葉の意味を理解した。

ぎゅうと着物をにぎりしめて。

息を、すぅっと思い切り吸った。


「高杉さん!」


思ったより大きい声。


「ぅん?」


余裕の笑みを称える高杉さん――……きっと強がりなんかじゃないんだ。


「私、高杉さんについて行きたいです。私に出来ることなら、なんでもしますから!」



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