夕焼け色に染まる頃


「なっ……朔ちゃん!?」


「朔ちゃん、それどういう事かわかっているのかい!?」


こくりとひとつ頷いてみせた。

そのくらい、桂さんと石川さんの反応を見ていればわかる。

大変だってことくらい、重々承知のうえ。

そして、覚悟のうえ。


「ケガの手当て……いいえ、連絡係だって荷物持ちだって構いません。高杉さんのお側で、役に立ちたいんです」


膝の前でちょこんと指をついた。

ゆっくりと頭を下げながら、お願いします、と一息で言う。


「良く、言った」


そう、満足そうに言う高杉さんの声。

そして、ほぅっとため息を尽きつつも仕方がない、と認めてくれたような桂さん達の雰囲気が伝わってきた。


「ふむ、こうして見ていると嫁入りのようだよ、朔君」


「えっ」


「良い嫁さんをもらったじゃあないか、え?高杉くん」


「だろう?俺の成そうとしているのをズバリ当てたのも、俺についてきて役に立ちたいってぇのも――……ま、さすがだな。俺様の嫁さんだからよぉ」


「ちょ、」


高杉さんまさかのここで悪ノリ!?


「おや、晋作?式くらい挙げてやらないと朔ちゃんがかわいそうだよ」


って、桂さんまで……っ!


「おっとぉ?どうしたぃ、嫁さんよ。可愛らしいお顔が真っ赤だぜ?」


「なっ……!」



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