夕焼け色に染まる頃

04



「――……反則だろ、それ」


つい、出てきた言葉。

あいつに聞こえなくて良かった。

そんな事を思いながら廊下を歩く今の俺はとても不格好な顔をしていることだろう。


ふわりと見せたあいつの大人っぽい所に見とれたなんて言える訳ねぇし、俺の心配してくれるアイツが他の奴の心配も当たり前のようにしているなんて、思いたくもねぇ。


「あぁ、――……ったくよ……!」


そんな淫らな考えを打ち消すように頭をガリガリと掻いて、俺はかぶりを振った。

まだまだ、ガキだと思ってたのによ。

さすが、と言うべきかなんと言うべきか。


いつか聞いた事がある。

アイツの時代では女子は23くらいで嫁ぐらしい。

だが、こっちの世界で23だなんて手遅れだ、手遅れにも程がある。

逆にアイツの年齢を聞いてみれば、「女子に年齢を聞くなんてデリカシーがないですよ!」なんて笑いながら答えてくれた。

ちなみにでりかしぃとはなんだ。

こっちでは18程度が嫁ぐにはピッタリな年齢。

聞けばアイツは19歳。

正直、アイツがこっちに来たばかりの時はそんなふうに見られなかったのによぉ……?


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