きゃらめる味の幽霊
それから無事に授業とアルバイトを終わらせて、夕食を買いにアパートの向かいのコンビニに入った。
時刻は午前零時半。やる気なんてさらさらない店員を横目に、俺は弁当コーナーに向かった。
俺は料理が作れないから、朝以外は外で食べるか買うかのどちらかになってしまう。だからかなりの出費になるのだが、昼は謎のお弁当のおかげで食費が浮くのだ。
ぶっちゃけると、俺は別にストーカーでもいいと思っていた。毎朝毎朝、美味しい弁当を作ってくれるんだから。
(……日頃の感謝を込めて、か。)
夜、寝る前にテーブルにメモと一緒に置いておけば、貰ってくれるだろうか。
俺は、見た目も分からない相手に、お弁当のお礼として、少し高めのチョコレートを購入した。