きゃらめる味の幽霊


チョコレートと夕食の唐揚げ弁当が入ったコンビニ袋をぶら下げて、俺はコンビニの真向かいにある自分のアパートに向かい、鍵を開けた。




……あ、まただ。



玄関のドアを開けてすぐのリビングに置いてあるテレビの電源がついていて、そのテレビを見ながらケラケラ笑う人影がひとつ。





……え、人影?





「あ、おかえりなさい!」



テレビの前にいた人影は立ち上がり電気を付けて、未だに玄関で固まっている俺に小走りで近寄ってきて、俺に笑いかけた。そして、照れたように「お弁当美味しかった?」と聞いた。




……俺と同じ位の年の可愛い女の子だった。しかも、可愛いパジャマ姿の。


彼女がもじもじしながらお弁当の話をするのを聞いて、俺は漠然と「あぁ、お弁当ストーカーはこの子なのか」と妙に納得していた。いや、それにしても、



「……なんでパジャマ?」



頭は混乱しながらも女の子を見ながらなんとか口を動かすと、女の子がばっと視線を向けて、目を見開きながら言った。






「もしかして、私がみえるの?」



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