きゃらめる味の幽霊

正体は幽霊さん



……へ?



「見えるって……どういう意味?」


そう問い返すと、彼女はぱあっと顔を綻ばせた後、赤くなった顔を隠すように慌ててうつむいた。

そして、

「えっと、あの、」



「私、幽霊……なの」









……へ?

いやいや、


「いやいやいや。嘘だろって」



彼女がうつむいたまま必死に嘘を言うのを見て、俺はなんだか笑ってしまった。



「う、嘘じゃないもん!!」


「ふふ、じゃあ証拠は?」



ストーカーってもっとこう……何ていうかグロテスクなイメージだったけれど、どうやら全てがそういうタイプではない事が分かった。……まぁ、人の家に、パジャマ姿でいるっていうのも、大胆だと思うけど。



彼女はしばらく考えてから、


「じゃあ、あのコンビニに一緒に行こ」


私が幽霊だってこと証明するから、と彼女は言って、俺の手を引っ張った。



……パジャマ姿のままで。


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