サンダルウッドにくるまれて
答えられなくて・・・。
マティアスの綺麗なスミレ色の瞳を、真っ直ぐ見る事が出来なくて。

ただ、じっと
自分の足元ばかりを見つめてた。

突然、温かい手が
私の頬を滑って・・・
それが、涙を拭っているのだと知った。

私・・・泣いてるんだ。


「僕、何か酷い事をした?
それとも帰れなくて寂しい?」


違う。
どっちも違うよ。


マティアス・・・
私はあなたと別れるのが、泣きたいぐらい辛いんだ。

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