サンダルウッドにくるまれて
「僕の事なんて知らない。
知らないから思い出す事もない。
今まで通り、普通にあった時間を、普通に過ごすんだ」

「イヤだ、そんなの。
マティアスが帰れって言うなら・・・帰る!
だけど、記憶は消さないで!
二人で過ごした想い出だけでも、私に残して!」

「無理だ、それは。
キミに記憶を残したら・・・その記憶から誰かがこの世界を狙ってくる。
僕たちは一緒にはいられない」

そんな・・・!

「私の事、呼んだくせに!
マティアスが呼んだから私は来たんでしょう??
それなのに・・・それなのに・・・」

マティアスはもう何も言わなかった。

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