サンダルウッドにくるまれて
大きな病院に連れて行かれて、いろんな検査をされた。

でも、何も分からなかった。
異常も見つからなかった。


たった2週間・・・?


保護された時の私の形相は、2週間のブランクとは思えないものがあった。

異様に伸びた髪と爪。
たかだか2週間でここまで伸びないだろう、と思うほどに。

いなくなった日に撮影した卒業アルバム用の写真と比較しても、
それは尋常ではない事を証明していた。

『神隠しにあった女子高生は、別の世界を生きていた?』

そんな風に面白おかしく書く週刊誌もあった。

好奇の目に晒される。

それでも私は何も思い出せない。

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