サンダルウッドにくるまれて
駅で千尋と別れ、いつもの電車に乗り込む。


揺られている間に、雨粒が窓にかかり始めた。


見慣れた駅を降りた時には、既に土砂降り。
駅前のコンビニに入り、雨脚が弱まる事を願う。


レジのすぐ横に置かれたビニール傘には480円の値札。

百均ならなぁ…。

我ながら貧乏性だ。

100円なら手を出せたかもしれないが、約5倍の値段に躊躇する自分。


高校生の身分では、お小遣いにだって制限がある。

この雨に500円は出せない。

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