無記名な世界






「THEクールなあたしをイメージしてました」



「THEクール?」


亜流の顔に戸惑いと疑問が浮かぶ。



「うん、クール」


「へぇ~」



興味深そうに相槌を打つ。



「どんなだった?」


………………………。



「…葛野君、想像してみなよ。いつもこんななあたしのTHEクールを」



「…………………」


お、考えてる考えてる。



と、彼は顔を少し、微妙に俯かせた。






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